≪(社)日本山岳ガイド協会 ガイド資格更新研修会 北海道会場≫
平成21年の冬、北海道にて資格更新研修会が行われた。
対象は「山岳ガイド資格」「登攀ガイド資格」「上級登攀ガイド資格」の3分野。
厳冬期の冬山での更新研修である。3泊4日を画像でちょっとだけご紹介したい。

まず、資格更新とは何ぞや?と思われる方がいらっしゃるであろう。
これは、(社)日本山岳ガイド協会が付与するガイド資格維持のために行われる3年に一度の義務研修である。この更新を怠ると途端に「資格停止処分」となりガイド業が即刻できなくなる厳しい制度である。運転免許の更新制度に似たものであるが、内容はとんでもなく厳しい!3泊4日の朝から晩までびっちりカリキュラムが組まれ、研修成果がきっちり測られる。エリミネートの論理が根底にあり、もし基準に満たないと一年以内に再研修の義務が課せられる。そしてそこでも基準に満たない時は「資格降格」である。ガイドは厳しい山岳地帯での活動であり、業であることからその内容は熾烈だ。最近は学校の先生の免許に10年間の更新制度ができたとかで揉めたようだが、公教育である、もっと厳しくていいように思う。エリミネートの論理でお願いしたい。
医師免許や、弁護士資格には更新制度自体がない。ガイド業はガイド自らがこの厳しい制度を作り自らに課す!かなりの覚悟と気合いの制度であると思う。
(誤解のないように申し添えたい。医師、弁護士、こちらの先生はクライアントからエリミネートされる腕一本の世界である。これも厳しい。)

ガイド資格更新研修の要項は明快だ!「資格更新研修会は講習会ではありません。ガイド技能を査定する場です。受講者は認定ガイドであり、クライアントのケア、ガイドに必要な技術等はすでに完成していることを前提とします。」
この一文が意味するところの重みを感じ取っていただけたなら幸いである。プロとはこうでなければならないと思う。

すべてのプログラムはまずは冬山登頂からスタートだ。机上研修は夕食後の夜間だ!

1日目:山岳スキーガイディング・雪崩レスキュー(ビーコン・プローブ・クロスサーチ他)

山岳スキーガイディング

雪崩レスキュー
2日目:ショートロープ・タイトロープ技術・懸垂下降技術・確保技術・ガイディング技術
3日目:フラットポインティング技術・ショートロープ技術・救助吊上げ技術・搬出技術

ショートロープ登攀

ショートロープ技術実践

チーム研修

引き上げシステムの構築

荒天の中のガイディング技術

想定:雪庇踏み抜き要救助者発生
3分の一引き上げシステムの構築
4日目:アイスクライミング技術(ダブルアックス・シングルアックス)

アイスクライミング技術査定

アイスクライミング実践ダブルアックス

ダブルアックス技術査定

想定:シングルアックス